2020年3月22日日曜日

質問フォームへの投稿への回答(2020.05)

ワールドリーグのルールに関しての質問です。

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質問:
ロボカップジュニア ジャパン・オープン2020 和歌山用に編集した日本語版ルールについて質問にさせていただきます。
1.2頁 “もし、すべてのロボットがアウトオブバウンスになった場合、ペナルティーは
  破棄され、試合は中立点からのニュートラルキックオフで再開される” を削除
    ⇒どのように再開するのか、どこにも記載されていません。
2.2頁 “同じチームの2台のロボットが少しでもペナルティーエリアに入ったら、・・・”
  を追加しました。
    ⇒従来のマルチプルディフェンスを拡大して、オフェンス側にも適用したと解釈
     オフェンス側2台ペナルティーエリアに入ってゴールしたとしても無得点。
3.2.7 項 ”どのロボットも、ペナルティーエリア内に完全に入っていけません。”と
  4,5 項 ”ゴールキーパー(ゴールを守るロボット)はペナルティーエリア・・・”
    ⇒”ゴールキーパー”の概念は無くなったと解釈できますが、4,5 項は矛盾します。
4.10項の”国際大会”は、本年度の和歌山大会では、一切適用しないということですね。
    ⇒試験的に、ペナルティーやイントロリーグをやることはないですね?
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回答:
<質問1.について>
2.3 キックオフの項の末尾(p.6)に
「キックオフの際に1台のロボットもいない場合は(セクション2.9 でペナルティー中か、セクション2.10 によって故障中の場合)そのペナルティーは破棄され、セクション2.3A によって試合が再開されます。」
とあります。この記述がすべてのロボットがアウトオブバウンズもしくは故障になった場合の再開を説明しており、すなわち「2.3.A ニュートラルキックオフ」によって試合が仕切り直されます。

<質問2.について>
2.7 ペナルティエリア内の項で、無得点となるのは「プッシング(オフェンスとディフェンスが接触、加えてボールが接触している)」状態でゴールした時のみです。オフェンスがマルチプルになった場合強制的に中立点に移動されますが、即座に違反状態とはなりません。ただし、マルチプルが繰り返される場合はレフリーが故障と判断する可能性があります。

<質問3.について>
投稿への回答(2020.1)を参照してください。

<質問4.について>
はい。10項については和歌山大会の適用範囲外です。
10.4 ペナルティキックも、10.6 イントロリーグも予定はありません。
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2020年3月15日日曜日

ジャパンオープン2020和歌山のルールについて(2020.03.15更新)

2020年4月24-26日に開催されますロボカップジュニア・ジャパンオープン2020和歌山大会での採用ルールについて、以下の通り決定いたしました。
(2020.02.18追記)
各リーグのルールを公開しました。
(2020.03.15追記)
日本リーグ、ワールドリーグのルールを更新しました。

【日本リーグ】
ロボカップジュニア サッカールール日本リーグ版  2020」を採用します。
https://drive.google.com/file/d/1wm8GXWncGiMASb8ZeRVuXqMU0XdI0lVl/view

使用するコートや軸数制限等基本的な箇所はそのままに、細かな裁定等をワールドリーグに合わせて更新しました。


【ワールドリーグ】
「RoboCupJunior Soccer Rules 2020」をベースとした「RoboCupJunior Soccer Rules 2020 日本語版」を採用します。
https://drive.google.com/file/d/1qGI1dLa_3Iv01-w9iCifLGqqagciz2Jz/view


各リーグのルールについて、疑問点や質問点がある場合はメールまたは、サッカールールに関する質問等の受付窓口までお問い合わせください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeolyysPxl3L2ifrXRnYQylFOiYUe_-AAG4ODJ08HRy1JOYKw/viewform

ルール内で意味が分かりにくいところがあれば、積極的に質問してください。選手の皆さんの理解と技術委員会の理解が違うかもしれません。そういった行き違いは大会当日までにできるだけ解決しておきたいと考えています。
ご協力をお願いします。

質問フォームへの投稿への回答(2020.4)

反則規定及びルールの変更点に関する質問です。

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質問:
大会等でコートやボールを破損した場合の反則規定(ドリブラーでボールを削る等)について2点質問です。

1.
明らかに意図的にコートやボールを破損させた場合を除いてロボットによってボールやコートが破損した際に選手が反則となりますが、2020Soccer_Rules_JPWLの付録A,Bに「ボールは一般的な試合に耐えられるものでなくてはなりません。」とあるようにボールが破損することは選手側に責任がないことなのかと思うのですがなぜ選手の責任として反則行為になるのでしょうか?
また、”一般的な”と規定されていますが2019年和歌山大会のオープンリーグのようにほとんどの試合でボールが破損するような状況は”一般的な”状況ではないでしょうか?

2.
2020Soccer_Rules_JPWLの7.1に「人がロボットに意図的に干渉を引き起こすことやフィールドやボールに損害を与えることは許されません。」と規定されていますがこの規定の主語は”人”であり”ロボット”ではありません。またこのルールは以前までに採用されていたロボカップジュニアサッカールール2018やsoccer_rules_final_2019や2020_Soccer_Rules_draftにはない規定ですが、RoboCupJunior Soccer Rules 2019 からの変更点に記載されておりません。
いつ変更されたルールなのでしょうか?
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回答:
はじめに訂正がありました事をお伝えします。
RoboCupJunior Soccer Rules2020(国際版)のP17「7.1 Fair Play」の項目には、「Robots are not allowed to cause damage to the field or to the ball during normal game play.」という一文があります。日本語で「ロボットは、通常の試合中にボールやフィールドに損害を与えることは許されません。」という意味の文章で、この一文が日本語版「7.1 行動規範」で抜けてしまい失礼いたしました。日本語版に追加訂正させていただきます。今回のご質問で気がつくことが出来ました。ありがとうございます。

その上で改めて説明いたしますが、競技を行う上でボール及びフィールドを傷をつけないことは、会場のその他設備などを傷つけないことと同じく選手とそのロボットが守るべき大切な行動規範です。それは多くのチームが参加する大会において、お互いが均一で公平な競技環境を享受するために欠かせないことだからです。それでもボールやフィールドが少しずつ傷むのはやむを得ませんが、特定のチームが1回の試合中に明らかにボールを劣化させたような場合には当然その責任が問われるべきという考え方になります。特にパッシブボールは赤外線ボールに比べ傷がつきやすい点に留意して、どうか本年度はボールが破損しない試合が一般的になることを目指してください。

また、ご指摘いただいた変更点に関する記載ですが、ルールブックの変更点とは<国際版ルールブック>において変更点と示されている部分の変更点になります。
日本語版はあくまでThe official Soccer Rules for RoboCupJunior 2020 国際ルールブックに則して作成されていますので、ロボカップジュニアサッカールール2018、soccer_rules_final_2019からの変更点は記載されません。
今回のルールブック作成に関しては、訳者によって解釈の違いや翻訳の仕方で生じていた国際版と日本語版との差異をより少なくすることが最大の目標でした。
変更とされていない部分の日本語文も相当な変更、昨年とのニュアンスの違いがありますが、これらはすべて2020国際版に則って作成されています。
ロボカップジュニアサッカールール2018やsoccer_rules_final_2019はあくまで昨年度用のルールブックで、今回の2020日本語版ルールブックとは互換性がないと理解してください。

毎年追加されてきました赤字の変更点の記載も今年は中止しています。赤字にすることでその部分しか読まずに誤解が生じないための措置です。
翻訳版、日本語版の冒頭文にもありますが、「英語版のルールは、他のどの翻訳版のルールより優先されます」ことを念頭に、今年の日本語版は上記の理由で昨年までの日本語版を踏襲していないことをご理解ください。
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2020年3月8日日曜日

質問フォームへの投稿への回答(2020.3)

ワールドリーグ4.5機動性についての質問です。

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質問:
ルール4.5機動性の箇所についての質問です。
このもしロボットが 10 秒以内に 20cm 以下の距離にあるボールに接触しなかった場合、故障とみなされます。とありますが、この検査方法ですが、
1.試合中の動くロボットのどの時間のロボットの位置を中心に20cmを測るのですか?
というのも審判がチェックをする場合、ボールを持ち上げたあとロボットが動きますが、動いた前か後のどちらの位置を中心にするのですか?
2.この検査を行う場合、その他のロボットのスタートスイッチを切って行うのですか?
もし切って行わない場合、他のロボットが触れてボールを動かしたときはどう対処するのですか?
3.ゴールキーパーロボット等の場合ペナルティーエリア内、ライン外等も半径20cmにありますが、この位置にあるボールも触らなければいけないのですか?

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回答:
<質問1.について>
4.5の機動性の項にある「ロボットが 10 秒以内に 20cm 以下の距離にあるボールに接触しなかった場合、故障とみなす」というルールは、ロボットが複数の方向に動いてボールを探して近づく機能を持っていることを確かめるために行います。したがって確認する際の20㎝の基準は、動いていてもいなくても常に、その瞬間のロボットとボールの距離を指しています。

<質問2.について>
機動性の確認を行う場合は、適切な判断ができる状況下で行う必要があります。もし他のロボットがフィールド上にいて、この確認の障害になると主審が判断した場合は一旦電源を落とすか、フィールドの外に出すなどの対処をする可能性があります。

<質問3.について>
投稿への回答(2020.1)を参照してください。

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2020年3月4日水曜日

質問フォームへの投稿への回答(2020.2)

キットの使用および、ロボットの修理と予備機体に関する質問です。

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質問:
日本リーグについて、キットものをほぼ改造なく使用しているチームは実際問題として存在します。(今年のルールにおいても厳密にはルール違反ですが)これを看過したとして、壊れた場合、メイン基板が構造部材であり、全てを取り替える他ないケースが目立ちます。(予備機体にあたる)この場合の対処について、審判の裁定を統一すべきかと思います。
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回答:
ワールドリーグ2020日本語版 9.2.C ならびに、日本リーグ2020 8.2.2 のロボットの制作の項には、「商用キットを組み立てただけの画一的なロボット」を禁止する旨の記述があります。これはロボカップジュニアの理念にしたがい、選手が自主的かつ積極的に活動することを求めるとともに、各ノードやブロックにおけるメンターや指導者が理念やルールの下で指導する事を求めています。
既製品・非改造と思われるロボットに対しては、車検やインタビューなどを通じて指導を行う可能性があります。

また、質問にある「メイン基板の交換」についてですが、メイン基板の交換が出来る場合、これは部品の交換とみなします。ただし、他のロボットを故障機の代わりに出場させることは日本リーグルール3.1、ワールドリーグルール4.1の「3台目のロボットや他チームのロボットを試合に出場させること」となりますので、明らかなルール違反となります。

近年、メンテナンス性の向上ためにロボットの各部をモジュール化し、簡単に交換できるようにしているケースが見られます。メンテナンス性もロボットの重要なポイントのひとつですので、こういった点を意識してロボットを設計することはよいことです。ただし、これらの修理によってロボットの形状や質量が変化する場合は改造にあたりますので、改めて車検を受けて、ロボットが基準に適合しているかどうかを確認する必要があります。

質問フォームへの投稿への回答(2020.1)

ワールドリーグ4.5機動性について複数の質問をいただいています。
下記の2件について、内容が似ていることから、同時に回答させていただきます。

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質問:
4.5 機動性 の項に関して『1 台のロボットだけがフィールドにいる場合はその限りではありません。ゴールキーパー(ゴールを守るロボット)はペナルティーエリア全体にあるボールに近づかなければいけません。』というものがありますが、2.7 ペナルティーエリア内 の項に『どのロボットも、ペナルティーエリア内に完全に入っていけません。』との記述がある以上、旧来問題とされていた、ペナルティエリア内に留まるタイプのゴールキーパーは存在し得ないのではないでしょうか。(俗に言う蟹歩き型)
若しくは他の意図で書かれた記述出会った場合、ゴールキーパーかそうでないかの判別はいかなる基準において行われるのでしょうか。
また、ラインが白くなったことからラインセンサでの判別が容易になったことから想定されるものとして、ライン上を蟹歩くロボットが出てきた場合、これは 4.5 機動性 の項の『ロボットは 1 方向だけでなく動けるように設計やプログラミングされなければいけません。』という記述に抵触するかと思われますが、その場合、これは旧来のライン上にボールを置いて追うかどうかを見るやり方では判別できないかと思われ、別のやり方を検討する必要があるかと思いますがどうでしょうか。
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質問:
ワールドリーグの2020日本語版のルールについてなのですが、4.5 機動性において、「ゴールキーパー(ゴールを守るロボット)はペナルティーエリア全体にあるボールに近づかなければならない」とありますが、ゴールキーパーのより厳密な定義と、2.7 ペナルティーエリア内の「どのロボットも、ペナルティーエリア内に完全に入っていけません。」との矛盾はどちらが優先されますか。
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回答:
<ゴールキーパーかどうかの判定について>
4.5機動性に記載の「ゴールキーパー」は、昨年までのルールに記載されていたゴールキーパー(自陣のペナルティエリアの中に最初に完全に入ったロボット)の意味とは異なり、「ゴールを守るロボット」という意味以上でも以下でもありません。
自陣ゴールを守る動きをするロボット全般を指しています。

<4.5で求められる動作と2.7の関係性について>
4.5項の主旨はロボットの機動性であり、「ペナルティエリアのどこにあるボールにも近づき」、「10秒以内に20cm以下の距離にあるボールに接触」するとありますが、あくまでルールで動ける範囲のことであって決してロボットがペナルティエリアの中に完全に入る事(アウトオブバウンズ)までは求めていません。2.7 ペナルティーエリア内の「どのロボットも、ペナルティーエリア内に完全に入っていけません。」に違反せずボールを追うことを求めているルールとなります。

<4.5機動性を満たすかどうかの判定法>
機動性については「ロボットは 1 方向だけでなく動ける」と同時に「10秒以内に20cm以下の距離にあるボールに接触」する事を求めています。ロボットが機動性を満たすかどうかの故障の判定方法としては、「10秒以内に "左右及び前方の" 20cm以下の距離にあるボールに接触」するかを確認します。ボールがゴールキーパーより後方にある場合には、必ずしも近づく必要はありません。オウンゴールを避けるための動作をしているとみなして、故障とはしません。

上記をロボカップジュニア・ジャパンオープン2020和歌山大会のルールとして採用します。