2018年1月22日月曜日

質問フォームからの問い合わせへの回答

本文:
「サッカールールに関する質問等の受付窓口へ頂いた質問への回答を掲載します。

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質問:
"マルチプルディフェンスは試合に大きな影響を与えるとき発生するとありますが、どういうことかわかりません。 例えば、ディフェンス側のロボットがボールを追ってペナルティエリアに2台入った時にマルチプルディフェンスが発生するのですか?"
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回答:
マルチプルディフェンスの目的は、ロボットの積極的なゲーム参加を促すことにあります。決して、守備を行うロボットを常に1台に制限するためのものではありません。

現在のゴール幅とロボットサイズ規定においては、ゴール前に2台のディフェンスロボットが並んだ場合、ボールをゴールに入れる難易度は、そうでないときと比べ非常に高くなると言えます。
よって、2台のロボットをペナルティエリア付近に長時間配置し続けるような戦略は、ゲームを膠着させる可能性が高く、積極的にボールに関わることを求めるルールの趣旨に反します。
マルチプルディフェンスは、ゴール前にディフェンスロボットが集中し続けることによって生じるゲームの膠着を解消するとともに、ルールの趣旨に反する戦略を防止するためのルールです。

いくつかのシーンの例を挙げ、それがマルチプルディフェンスとなるか否かを逐次判定することはできません。
それはマルチプルディフェンスが「”試合”に大きな影響を与えていると判断されたとき」に適用されるものであって、「特定のワンプレイで2台のディフェンスロボットがペナルティエリアにいることが、ボールがゴールに入るかどうかを左右するとき」に適用されるものではないからです。

そして、ディフェンス側ロボットの振る舞いが、試合に大きな影響を与えているかどうかを判断するのは主審です。
主審が、ディフェンス側ロボット2台が要件を満たすゴール前に(理由は何であれ)留まっていることでゲームが膠着している等で、試合に大きな影響があると判断した場合には、マルチプルディフェンスが適用されるでしょう。

質問文中で挙げていただいた、「ディフェンス側のロボットがボールを追ってペナルティエリアに2台入ったとき」についても、例えばそれが単発で発生しただけであれば、マルチプルディフェンスになる可能性はかなり低いでしょう。
しかし、同じような動作が繰り返されるなど試合が膠着状態にあると言えるような状態であれば、マルチプルディフェンスとなる可能性も高くなります。
もし主審の判定に疑問がある場合は、選手は主審に判定理由を確認することができますので活用してください。

また本回答はロボカップジュニアジャパンのサッカー技術委員会の見解となります。国際委員会の見解は異なる可能性もありますので、気になる場合は国際フォーラムでお尋ねください。
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頂いた質問への回答は随時本記事に追記します。